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アジアクエスト代表取締役インタビュー|モモイの想い vol.7

■ 成長投資の半期 ── 自社プロダクトが拓く、次の収益構造 
(2026年12月期 第2四半期決算 発表にあたって)

2026年12月期の上期、アジアクエストは増収を確保しながら営業利益はほぼ消え、通期業績予想も引き下げた。決算数字は明らかに逆風だ。それでも桃井の言葉に、迷いや守りの色はない。むしろ「ここからが本番だ」と前を向く。その確信は、どこから来るのか。代表取締役会長CEO・桃井純に聞いた。

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── 下方修正という結果にもかかわらず、強気に見えます。その自信の出所は。

顧客の現場です。私はいま、多くの企業の経営層と話をしていますが、そこで起きている変化は明確です。AIシフトは、もはや「やるかどうか」の議論ではなく、「どれだけ速くやれるか」の競争に変わりました。 待ったなしの経営課題です。これから、その需要は一気に、そして継続的に拡大していきます。

問われるのは、その大波が来たときに、正面から捕まえられる体制を持っているかどうか。私たちは今期、その体制づくりに賭けました。数字は逆風でも、目の前で潮目が変わっている手応えがあるからこそ、私は前を向いています。

── まず、上期の数字そのものについて説明してください。

上期は増収は確保したものの、利益は計画を大きく下回りました。要因は二つです。

一つは、案件の端境期。複数の大口案件が終了・縮小を迎え、その代替として見込んでいた大口案件で、失注や開始時期の遅れが重なり、稼働率が大きく下がりました。もう一つは、稼働している人員をAI領域へ振り向けたこと。この二つが重なり、特に第2四半期の稼働率が売上高が当初想定よりも大きく減少しました。

数字に責任を持つ立場として、未達成を軽く見るつもりはありません。ただ、この局面においては明確な意思を持って未来への備えを優先させることを選択しました。今後、企業のAIシフトの需要は急拡大していきます。

── 「需要が拡大している」根拠は。

指標が語っています。2026年2Qに創出したパイプライン(引き合い)の金額は過去最高を更新し、前年同期比で約48%増。パイプラインのうちAI関連案件の比率は、2025年下期14%から2026年上期27%へ跳ね上がりました。稼働率が下がった一方で、次につながる引き合いは、質・量ともにむしろ厚みを増しているのです。

そして、来期はこのAI関連比率がさらに高まると見ています。大企業のAIシフト需要が本格化するのはこれから。私たちが上期に仕込んだ体制は、まさにその急拡大する需要を拾うためのものです。第2四半期末時点で引き合いは積み上がっており、稼働率は3Q以降の回復を見込んでいます。

── なぜ、あえて上期に稼働を削ってまで、AIへ人員を振り向けたのですか。

決め手は、今年に入ってからのAIの進化が、今までの想定をはるかに超えて加速したことです。AIエージェントが実務をこなすレベルに達し、高性能な基盤モデルが次々と登場する——その速さを目の当たりにして、私達は「SI業界の地殻変動は、想定より前倒しで来る」と確信しました。ならば、備えも前倒しにするしかない。足元の稼働率を多少削ってでも、いま全力でAIシフトを進めるべきだと判断したのです。

具体的には、会社の骨格そのものをAIネイティブに組み替えにいきました。採用は頭数のみを追うのをやめ、より上流で価値を出せる人材へと基準を上げる。同時に、AIを使いこなせる人材の獲得は積極的に増やしていく。既存社員の育成にも投資し、専門部署へ人員を集約する。AI駆動開発を行う対象工程範囲を拡大してAI起点で案件を取りにいく。そして、自社AIプロダクト「GAIA Governed AI Access(以下、GAIAといいます。)」を世に出せる形まで仕上げる。これらを、一つの半期で同時にやり切りました。

稼働人員を未来への投資に振り向ければ、足元の利益は当然痩せます。それでも私が迷わなかったのは、いまのAIの進化スピードが、とてつもなく速いからです。 この局面での1年の出遅れは、致命傷になりかねない。だからこそ、目先の利益よりもスピードを優先しました。今期のコストは、来期以降に効いてくる「仕込み」だと確信しています。

── その需要を、拾い切れるのでしょうか。

鍵は「GAIA」です。これから企業が社内に何十、何百というAIエージェントを導入していくとき、必ず直面するのが「無数のエージェントを、権限を守ったまま安全に社内システムやデータへつなぐ」という課題。GAIAは、どの企業も避けて通れないこの本質的な課題を解決する、中立的なアクセス基盤です。モデルに縛られないから、全社に安心して広げられる。
そして本質は、GAIAを起点に、エージェント構築や業務のAIネイティブ化など、さまざまなサービスへ横展開できることです。人月の役務収益に、GAIAのライセンスというストック収益と、その上に広がる新たな案件が積み上がる。工数を売る会社から、基盤を起点に稼ぎ続ける会社へ——これが、私たちが描く収益構造の転換です。

── 株主還元、株主優待は続けられますか。

続けます。継続できる水準だと考えています。 優待は、業績が良いときだけの気まぐれではなく、中長期で当社を応援してくださる株主への、恩返しの約束です。優待に掛かるコストは当初からの想定範囲内にあり、持続可能です。当社がオーナー企業であることも、この還元を構造的に支えています。逆風の局面でこそ、約束を守り抜く姿勢に、私たちの本気が表れると思っています。

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── 最後に、株主の皆さまへ。

システム開発の世界は、AIによって提供価値そのものが書き換わろうとしています。多くの会社が様子見をするなかで、私たちは今期、あえて先に動きました。稼働率という足元の数字を一時的に棄損してでも、組織・提供価値・収益構造を、先んじて組み替えにいった。 その準備を、この半期でリードできたと自負しています。

私たちの理念は「時代の変化の中に、無限の機会を見出し、そこに価値を提供していくこと」。まさに今が、その理念を試されるときです。 変化に適応し、変化を糧に、私たちは必ず成長し続けます。引き続き、アジアクエストにご期待ください。