── 先日、代表取締役社長であった桃井さんが代表取締役会長CEOに就任し、取締役デジタルトランスフォメーション事業部長であった藤田さんが代表取締役社長COOに就任されました。今回の新体制の狙いを教えてください。
一言で言えば、アジアクエストが「次のステージ」へ成長していくために不可欠な、攻めの布石です。
おかげさまで、当社のDX事業は着実にスケールしてきました。しかし今、私たちは「AIシフト」という歴史的な転換点に立っています。この変化は単なる技術革新に留まらず、あらゆる産業、そして我々が身を置くSI業界そのものの在り方を根底から変える「地殻変動」と言っても過言ではありません。
この激動の中で、しっかりと変化に適応して勝ち残る企業と、そうでない企業の差は、今後数年で明確に分かれていくでしょう。
これまでは私が社長としてすべての最終責任を負い、あらゆる意思決定を行ってきました。しかし、この地殻変動を勝ち抜き、今の延長線上ではない非連続な成長を遂げるためには、もはや一人のリーダーに依存する体制では限界があります。経営の役割を明確に分担し、組織としての機動力を極限まで高めること。それが、アジアクエストがこの勝負どころで確実に「勝ち残る企業」となるために不可欠な布石だと考えたのです。
── 「役割分担」という言葉がありましたが、具体的に桃井さんと藤田さんの役割はどう変わるのでしょうか。
社長の仕事というのは多岐にわたります。売上や利益に責任を持つことはもちろん、人材戦略や株式市場に対するコミットメント、業務提携や資金調達など多種多様です。今回の新体制では、これらを二人の役割として最適に分担し、経営の純度を高めます。藤田新社長には、現在の主要事業をより確実、かつ圧倒的なスピードで成長させていくことにフルコミットしてもらいます。さらに、先ほど申し上げた「AIシフト」という荒波の中で、アジアクエストそのものが「AI時代に最も最適化された組織」へと進化を遂げるための、大胆な企業変革も主導してほしいと考えています。
彼はこれまで取締役事業部長として着実に事業を推進してきました。今後、執行の権限を彼が持つことで、事業のスピード感は格段に上がると確信しています。一方で私は、より中長期的な視点での戦略立案や、会社全体の基盤強化、そして新しい価値創造のための「種まき」に集中します。私たちが目指す「アジアNo.1のAIインテグレーター」をより高い次元で実現するために、私が担うべき役割もまた、次のフェーズへと進むということです。
── 新社長に就任される藤田さんは、桃井さんから見てどのような人物ですか。元々は当社の「顧客」だったのですよね。
はい。藤田新社長は前職の三菱商事時代、海外子会社の副社長としてDXによる経営改革の陣頭指揮を執っていました。当時から、その変革に対する情熱と、ストイックなまでのプロ意識には、深い敬意を抱いていました。彼は「顧客」という客観的な立場からアジアクエストを見ていたからこそ、当社の強みや文化を理解してくれていました。その上で、私たちのビジョンに心から共感し、2023年に「仲間」として加わってくれたのです。
彼の事業センスはもちろんですが、何よりアジアクエストの文化を深く理解し、私の描くビジョンを具体的な戦略へと見事に落とし込む力に長けています。
── かつてのクライアントが自社に参画してくれるというのは、経営者としてこれ以上ない喜びであり、信頼の証ですね。
本当にその通りです。入社後も事業部長として共に歩む中で、彼はすでにアジアクエストの成長に多大な貢献をしてくれています。新社長としてより強くリーダーシップを発揮することで、アジアクエストはより強固で、かつ変化に強い「しなやかな組織」へと進化していくはずです。

── 社長が交代しても、アジアクエストが目指す方向に変わりはない、という認識でよいでしょうか。
もちろんです。デジタルトランスフォーメーションを通じて社会をより良くしていくという私たちの志は、全く揺らぎません。
むしろ、そのビジョンの実現に向けて、より一層ビジネスを加速するための体制変更です。代表取締役会長CEOとしての私のミッションは、アジアクエストの「未来」を創り、中長期的な視点で企業価値をしっかりと高めていくことにあります。その重要な一環として、投資家の皆様との対話であるIR活動にも、これまで以上に情熱を持って、かつ積極的に取り組んでいく考えです。
今、私たちが直面しているAIによる地殻変動は、並大抵の覚悟で乗り越えられるものではありません。しかし、私たちはこの激動を確実に勝ち抜く。今回の新体制はそのための布石であり、我々には勝つための覚悟も、具体的な準備もすでに整っています。
アジアクエストを、アジアNo.1のAIインテグレーターとして、SI業界におけるリーディングカンパニーへと押し上げる。この歩みをさらに加速させ、ステークホルダーの皆様の期待を超える成長を実現してまいります。新しく生まれ変わるアジアクエストの挑戦に、引き続きどうぞご期待ください。
