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Web4.0とは?影響・課題とWeb1.0からの変遷を解説

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Web4.0とはデジタルと現実世界の相互作用が強まり、人間と機械が共生する世界を意味する概念です。Web1.0からの変遷と影響、課題について解説します。

Web4.0とは人間と機械が共生する世界を意味する言葉で、Web3.0の次世代の概念として現在注目されています。
メタバースやAIなど高度なデジタル技術の先に実現するWeb4.0について、意味やWeb1.0からの変遷、もたらす影響と課題について解説します。

Web4.0とは

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Web4.0とはデジタルと現実世界の相互作用が強まり、人間と機械が共生する世界を意味する概念です。

Web4.0を提唱したのはEUの行政執行機関「欧州委員会」で、現在のWeb3.0から次世代のWeb4.0へ移行するにあたり、「デジタルと現実のオブジェクトや環境の統合、および人間とマシンの相互作用の強化が可能」になるとしています。

欧州委員会が2023年7月に発表したEU戦略によると仮想世界やIoT(Internet of Things)、ブロックチェーン、高度なAI(人工知能)、XR、などがWeb4.0の実現につながるとして活用が推進されています。

参考:次なる技術移行に向けて:欧州委員会がウェブ4.0と仮想世界をリードするEU戦略を発表(欧州委員会)
参考:質疑応答: Web 4.0 と仮想世界に関する EU の取り組み: 次の技術移行における先駆け(欧州委員会)

Web1.0から4.0までの変遷

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Web4.0は世界中に広がるネットワークをリンクさせる仕組みである「World Wide Web(ワールドワイドウェブ)」の第4世代です。

Web4.0の前には、Web1.0〜Web3.0があります。それぞれの特徴と代表的な例を下表にまとめました。

概念 特徴 代表的な例
Web1.0 ・インターネットが普及し始めた時期
・ユーザーは情報の「受け手」であり、一方向のコミュニケーションしかなかった
・eメール
・ホームページ(テキストメインで、画像や動画が少ない)
Web2.0 ・SNSの普及によって、双方向のコミュニケーションが可能となった
・独占的なプラットフォーマー(Googleなどの巨大IT企業)へ個人データや広告収益が集中した
・SNS
・広告収益
・ホームページ(画像や動画、音声などのコンテンツも増加)
Web3.0 ・ブロックチェーン技術によって、個人データなどが特定の企業に集約せず、分散管理されるようになった
・価値の共創、保有、交換
・NFT(非代替性トークン)
・暗号資産(仮想通貨)
Web4.0 ・人間と機械が共生する世界
・デジタル世界と現実世界を融合させ、没入感のある体験を実現
・メタバース(仮想空間)
・AI
・デジタルツイン

Web4.0がもたらす影響

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Web4.0が実現すると、次のような影響がもたらされると予測されます。

  1. 技術や効率性の向上
  2. 環境問題の改善
  3. 最適化されたサービスの提供
  4. コミュニケーションの活性化
  5. 没入型サービスの発展

それぞれの影響について解説します。

1.技術や効率性の向上

Web4.0によって現実世界にメタバースやAIを取り入れられると、さまざまな業界における技術や効率性の向上が期待できます。

例えば医療現場では手術のシミュレーションを3Dで行えたり、教育現場ではバーチャルな体験を活用した学習方法などで、より特定のテーマについて理解を促進させられたりするでしょう。

AIを活用した場合業務を効率的に進められるため、残業時間の削減や生産性の向上にもつながります。

すでにこうしたバーチャルな体験による学習に関しては各分野で近年活用が進んでいます。

2.環境問題の改善

Web4.0は環境問題の改善につながる可能性もあります。

例えば3Dモデルを活用して道路の交通状況をシミュレーションし、実際の交通状況に反映・最適化して活用した場合、渋滞緩和によって排気ガスの削減を実現できます。地球温暖化などの環境問題の影響をシミュレーションすれば対応策が生まれるかもしれません。

Web4.0は人間だけでなく地球環境にもよい影響を与えるでしょう。

3.最適化されたサービスの提供

機械学習やAIの発展によってデータ分析や処理の精度はさらに向上すると考えられます。

そのため属性や興味関心が異なるユーザーごとに、より適したサービスが提供されるようになり、日常生活における利便性や効率性が上がる可能性が高いです。

4.コミュニケーションの活性化

Web2.0から始まった双方向のコミュニケーションは、Web4.0になるとさらに強まることが予測されます。

直接会わなくてもさまざまな人とコミュニケーションをとれるため、情報の流動性が増したり、多角的な意見が交わることでイノベーションが生まれたりするかもしれません。

活発的なコミュニケーションは思考の幅を広げ、企業の発展にもつながるでしょう。

5.没入型サービスの発展

Web4.0の影響のひとつとして、メタバースやAR(拡張現実)、VR(仮想現実)などの没入型サービスの発展が挙げられます。

Web4.0によって現実世界とデジタル世界がスムーズに融合されるとユーザーは容易に仮想世界を楽しめるため、需要の増加によって没入型サービスに関連したデバイスやサービスが発展・普及すると考えられます。

Web4.0の課題

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Web4.0はさまざまなよい影響をもたらすことが期待されますが、課題もあります。

Web4.0における「インフラ」と「プライバシー」の課題について解説します。

1.インフラの整備

メタバースやAIは膨大な情報量を取り扱うため、通信インフラを整備しないとうまく機能しない恐れがあります。

Web4.0の実現には、高速で安定した通信インフラが必要です。

2.プライバシーの問題

デジタル技術の発展によって、ユーザーに最適化されたサービスが提供されることはメリットといえますが、顧客の行動や思考に対する過剰な追跡行為や分析は、プライバシーを侵害したり不快感を与えたりするかもしれません。

例えば、A商品のサイトの訪問者に対し、A商品についての広告を別サイトでも表示して購買を訴求する「リターゲティング広告」の場合、「つきまとわれている」「監視されている」と不快感や不安を覚えるユーザーもいます。

EUが策定したGDPR(一般データ保護規則)のように、個人情報とプライバシーの保護に関する考え方は世界的に進んできていますが、ターゲティング広告分野などにおけるAIの利用に関しては今後新たな法整備などが検討される可能性があり、Web4.0ではさらにプライバシーの問題が重要視されると考えられます。

まとめ

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Web4.0とは人間と機械が共生する世界を意味する概念で、欧州委員会が提唱しました。

メタバースやAIなどさまざまなデジタル技術の発展によって、生活がより豊かになったり環境問題を改善できたりすることが期待されますが、プライバシーの問題には適切な対応が必要です。

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