株式会社TMJ様は、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)パートナーとして、コンタクトセンター、バックオフィス業務、人材派遣など多岐にわたる事業を展開しています。このたび、コールセンター運用における オペレータから管理者へのスムーズな顧客対応引き継ぎ(エスカレーションプロセス)を実現するため、工数管理システムの開発実績を持つアジアクエストに開発を依頼しました。
株式会社TMJ様が受託しているコールセンターでは、 オペレータと管理者が同じフロアで業務を行っています。一般的な問い合わせは オペレータが対応し、難易度が高いクレームや複雑な問い合わせは管理者が引き継ぎます。
これまで、 オペレータが顧客との通話中に手を挙げること(手挙げ)で管理者へ引き継ぎを要請する仕組みでしたが、管理者の見落としや、複数のオペレータからの同時要請による優先順位付けの難しさなどの課題があり、より効率的なシステムの導入が求められていました。
アジアクエストは、システムの仕様を決めるにあたって、まずはお客様との打ち合わせと現場ヒアリングを行いました。その中で、オペレータや管理者が他の作業と並行して本システムにアクセスしやすいことが重要と考え、Web上で動作するシステムを提案、要件定義から設計、開発、そして保守に至るまで一貫して対応しました。さらに、効率的な作業環境を確保するため、他のアプリケーションとの同画面表示ができるよう、シンプルで小さなウィンドウサイズでも利用可能なデザインを採用しています。
実装した主な機能は以下になります。
オペレータと管理者で利用用途が異なるため、それぞれの権限で画面と機能を分けて作成しました。
本システムの導入は複数拠点となるため、インフラはパブリッククラウド化を実現できる、かつ、アジアクエストが多数の実績を持つ「AWS(Amazon Web Services)」を採択しました。
バックエンドシステムから各現場を登録することで、本システムを各拠点に導入できるようにしています。
担当者が引き継ぎ要請のボタンを押すとステータスデータがAWS Auroraに格納され、管理者へ依頼が通知されます。全システムの引き継ぎ要請及び対応のデータがAWS Auroraへ一元的に格納されており、現場やエリアごとのフィルタをかけると、指定した条件でデータを抽出することが可能です。
AWS FargateとAWS AuroraはAZ(アベイラビリティーゾーン)を分けて2つ設置し、災害時やトラブルに対応できるよう冗長化しました。
開発者が遠隔地から本番環境に入れるようEC2を踏み台とし、AWS CodePipelineとAWS CodeDeployを利用した自動デプロイの仕組みを作ることで本番環境への速やかなシステム変更の反映が可能になりました。
さらにAWS Fargateを利用することでサーバー管理や保守運用の負担を減らしています。
オペレータの引き継ぎ要請をシステム化することで以下のような効果が生まれました。
現在一部の現場や案件で導入されている本システムは、今後さらに導入範囲を拡大していき、将来的には株式会社TMJ様のコールセンター業務の汎用的なシステムとして、お客様先のコールセンターへ広く導入していただくことを目指しています。
また、オペレータ・管理者の在宅勤務者増加に合わせて在宅利用対応も検討していきます。
システム利用中のお客様から寄せられた声をご紹介します。
◾️株式会社TMJ様
-今まで、ぼんやりとしていた情報(エスカレーション)が明確になり、報告・改善業務のレベルが向上できました。
-リアルタイムの状況が整理されたことで、運営管理がしやすくなりました。
-改善業務における対策の選択肢が増えたので、課題に対して柔軟に対応できるようになりました。
◾️派遣先コールセンターのお客様
-報告内容の精度が上がり、納得感が増しました。