アジアクエスト代表取締役インタビュー|モモイの想い vol.2

アジアクエスト代表取締役桃井純の、投資家の皆様に向けたインタビュー記事を公開致します。

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■ 過熱するIT人材の獲得競争を優位に導く当社の取組みと文化

── 今回は「人材獲得」をテーマにお話をお伺いさせてください。IT業界に限らず、昨今、人手不足が国内でよく叫ばれています。その中でもIT人材の獲得は競争が激しいと聞きますが、まずIT人材市場の現状をどのように認識されていますか。

IT市場における人材獲得競争が激しいというのはその通りですが、IT人材市場は人材の二極化が進んでいると私は捉えています。一般消費財や耐久消費財にバリューチェーンが存在するように、ITシステムの構築にもバリューチェーンが存在します。そこには顧客のビジネス課題を理解したうえでシステムの全体像を設計したり、要件定義をしたりする上流工程と、実際にシステムを動かすためのコードを書く下流工程が存在します。上流工程に携わるハイスキルエンジニアと、コードしか書けないロースキルエンジニアの需要において二極化が進んでいるというのが私の考えです。

── IT人材の二極化が進むと社会にどのような影響があるとお考えですか。

2030年には国内のIT人材が中位シナリオで約45万人、高位シナリオで約80万人不足するという旨の試算がありますが、実際にはロースキルエンジニアはAIエージェントの進歩と活用により、需要が減少していくのではと考えています。一方でハイスキルエンジニアに関しては当面の間はAIエージェントで代替することはできません。AIエージェントの進化により、単純にコードを書くような業務は代替されていくと思いますが、複数のAIモデルやアルゴリズムを連携させ、統合的に機能させることのできる人材は売り手市場が深刻化していくと思います。

── アジアクエストにとって、IT人材の獲得とはどのような意味を持ちますか。

企業のDX推進においてAI等に精通した高度IT人材は必要不可欠です。それが不足している会社は未来に対して出遅れてしまうと考えています。当社はAI等の高度IT人材獲得と育成を大事にしています。高度IT人材を数多く抱える当社は、未来に対してアドバンテージがあるというのが私の考えです。

当社のビジネスモデルは労働集約型です。SaaSなどのプロダクトなどがあると人材の数が変わらずとも売上が大きく増大することがありますが、労働集約型だとそれがありません。つまり、当社においてはエンジニアの数は売上に直結します。当社最新の公表数字で間接部門人員や上級管理職を除いた純粋な国内エンジニア数は340名となっていますが、この340名のエンジニア数そのものが今後ますます重要な、高度IT人材の保有という文脈において価値があるものと考えています。

── アジアクエストの人材獲得状況についてはどうでしょうか。

IT業界の中では人材の獲得に苦労されている会社が年を追う毎に増えていると感じていますが、当社は量と質の両面において、順調です。
採用市場での当社のプレゼンスが向上してきていると感じており、新卒採用においてもキャリア採用においても優秀層の応募が増加しています。

── なぜアジアクエストの採用活動はうまくいっているのですか。

成長機会の多さが大きいと考えています。当社のお客様にはDX化における困難や課題を共に解決しようという姿勢で仕事に臨んでくださる素晴らしいお客様がたくさんいらっしゃいます。そのような環境だからこそ、幅広く最新の技術に触れる機会があり、技術の実践だけではなく、ビジネス課題の解決やプロジェクトの牽引と言った面においても当社には成長できる環境が備わっています。それが魅力で人が集まってくれているのだと感じています。

具体的な取組で申し上げますと、二つのポイントがあります。一つは人事・採用部署のみならず、全社横断的な採用専門チームを発足させたスクラム採用活動を展開していることです。もう一つは、エンジニアとの接点を設けるために社外エンジニア向けの勉強会・セミナーを積極的に実施し、コミュニティ醸成にも取り組んでいる点です。現在コミュニティのメンバーは2,500名を突破しており、社外エンジニアのアジアクエストとの接点という観点で重要な役割を果たしています。

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── 人材の定着に関してはどうですか。

SI業界でありがちな大規模システム開発の下流工程を担当していると、全体が大き過ぎて自分が何をやっているのかわからなくなるエンジニアもいますが、当社のエンジニアはお客様と直接会話し、お客様の課題解決にダイレクトに向き合います。そしてお客様から直接フィードバックをもらいます。そのため、当社のエンジニアはやりがいをもって仕事に臨んでくれており、定着率も高いです。

── 桃井社長にとって人材とはどのような意味を持ちますか。

システム開発業務においては人材こそが全てであり、なによりも人材を大切にすることに努めています。入社した後も本人の才能やポテンシャルを最大限に活かして、個人個人のキャリアを真剣に考える制度設計を常にアップデートし、できるだけ多くの社員とコミュニケーションを図っています。

── 前回のインタビューにおいて当面の数値目標としては売上高成長率20%以上、営業利益率10%以上を確保するというお話がありました。その目標達成に向けて中期的な採用方針を教えてください。

会社の規模拡大に伴い、育成の面はノウハウなど非常に充実したものになってきていると感じますが、今後の成長に向けてはより一層アクセルを踏んで採用活動に力をいれたいと考えています。具体的には前年を毎年大きく上回る数での採用数を目標に掲げています。一方でとにかく誰でも取れればいいということは決してありません。チームとして機能する組織作りを考え、強いチームを作ることを主眼において採用をしていきたいと考えています。

── 最後に投資家の皆様にメッセージをお願いします。

AIエージェントによってパラダイムシフトが起きている今、高度IT人材を抱える会社に価値が生まれるというのは今後より一層強くなっていくと思います。AIエージェントの登場による人材の淘汰というような話は近頃よく耳にしますが、アジアクエストはそのような時代において求められる人材組織やビジネスモデルを磨いています。具体的にはDXの要件定義やAIオーケストレーション、そしてお客様のビジネス課題そのものの解決と言ったように、来るべき時代に対しての準備ができています。私はこの時代の変化を当社の追い風と捉えています。今後のアジアクエストに是非ご期待ください。

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