導入事例

前田建設工業株式会社 様 トンネル現場の「発破パターン作成支援システム」開発支援 / 余掘り量低減を実現

作成者: Admin|Sep 24, 2026, 2:54:21 AM

前田建設工業株式会社様(以下、前田建設様)は、土木・建築を手がける大手総合建設会社です。

アジアクエストは、同社が山岳トンネル工事で取り組む「発破パターン作成支援システム」の開発において、システム設計・アーキテクチャ構築からアルゴリズム実装・クラウド基盤(AWS)構築まで、一貫して技術支援を提供しています。削孔データ・点群データ・AI切羽評価データの3種を統合した自動算出システムの開発を支援し、余掘り量低減という定量的な成果につながっています。

Background & Purpose 導入の背景と目的

余掘り・あたりを生む発破ばらつきをどう解決するか――3種データ統合アルゴリズムへの道

前田建設様の山岳トンネル工事における発破工程では、変化する地質・地山条件への対応と適正装薬量の決定において、熟練技能者の経験と判断が不可欠でした。しかし建設業界では技能労働者不足が深刻化しており、省人化・生産性向上が急務となっていました。過装薬・薬量の不足による発破結果のばらつきは、計画掘削断面に満たない「あたり」や「余掘り」の増加を招き、後工程のサイクルタイム増加や地山の肌落ちリスクにも直結するため、データに基づく発破計画の自動化が求められていました。こうした課題を解決すべく、前田建設様はアジアクエストを技術パートナーとして迎え、システム開発への取り組みを開始しました。

熟練者への依存から脱却し、3種類の現場データを統合したアルゴリズムによって発破計画を自動化・高精度化することが、本プロジェクトの核心的な課題でした。

Role 役割

削孔・点群・AI切羽評価データを統合した発破自動化システムの設計と実装

前田建設様の社内エンジニアチームが持つ現場知識・技術力と、アジアクエストのシステム設計・クラウド実装力を掛け合わせ、4名体制で開発を推進しました。前田建設様が独自開発した「AI切羽評価システム」をはじめとする技術資産を活かしながら、アジアクエストがシステムアーキテクチャの構築とAWS基盤の実装を担うかたちで役割を分担し、緊密に連携しました。

現場データをAIとAWSでつなぐ――発破ばらつきをゼロに近づける統合アーキテクチャ

削孔データ・点群データ・AI切羽評価データの3種を統合し、切羽ごとの発破パターンを算出するアルゴリズムの設計・実装を担当しました。具体的には、以下の3つのアプローチを組み合わせています。

①削孔データの活用
全自動ジャンボで取得した3Dデータと打撃圧・回転速度から岩盤硬さを算出
②点群データの活用
3Dスキャナで素掘り面を計測し、あたり・余掘りを定量的に把握
③AI切羽評価データの活用
写真から風化・亀裂を判定するAIと削孔データを組み合わせ、切羽状態を精緻化

 

また、全自動ジャンボや3DスキャナのデータをAIシステムとリアルタイムに連携させるアーキテクチャを構築し、処理基盤としてAWSを採用することで、現場での即時適用とスケーラブルな運用を実現しました。

Brand Experience 導入による効果

余掘り量低減を実現――正確な装薬制御とデータ活用が生んだ施工改善効果

100g単位での正確な装薬・発破の実施により、余掘り量を低減することに成功しました。発破結果のばらつきが抑制されたことで、後工程(あたり取り・吹付コンクリート等)のサイクルタイム削減と地山安全性の向上にも寄与しています。前田建設様からは、定量的な成果に加え、データドリブンな施工管理の基盤が整ったことへの高い評価をいただいています。

Outlook for the future 今後の展望

技術パートナーとして施工DXを継続支援――AI・AWS・データ活用で切り拓く建設の未来

本システムのさらなる改善を継続するとともに、「自動装薬技術」の開発と連携することで、削孔〜装薬作業の完全自動施工の実現を目指します。アジアクエストは引き続き技術パートナーとして、データ活用・AI実装・クラウド基盤の各面から前田建設様の施工DXを支援していきます。

Testimonial お客様の声

本システムご利用中のお客様のご感想

本プロジェクトの実現には、システム設計・アーキテクチャ構築からアルゴリズム実装・クラウド基盤(AWS)構築に加え、山岳トンネルにおける掘削対象である「地山」を高度に理解する事が重要だと考えています。アジアクエスト様にはその両方を兼ね備え、熱意を持って新技術開発に取り組んでくださるメンバーが多くいらっしゃいます。様々な角度からのアイディアも豊富にお持ちで、課題があれば一緒に悩み、汗を流してくれるパートナーだと感じています。
今後「発破パターン作成支援システム」は精度の高度化、およびユーザーに寄り添ったシステムへのブラッシュアップが必要になります。引き続き、アジアクエスト様のお力を借りながら、山岳トンネル掘削における生産性向上実現のため努める所存です。